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「火つけてこい」市長3選、万歳・笑顔なく謝罪 : 政治 - 読売新聞

 前市長が部下への暴言問題で辞職したことに伴う兵庫県明石市の出直し市長選は17日、投開票され、無所属で前市長の泉房穂ふさほ氏(55)が、無所属で元市長の北口寛人氏(53)、共産党新人で元県議の新町美千代氏(71)の2人を破り、3選を果たした。投票率は46・84%(前回45・50%)。

 公職選挙法の規定により、任期は辞職前と同じ4月30日まで。このため4月21日の統一地方選に合わせて再び市長選が実施される。泉氏はこれにも出馬する考えを示した。

 泉氏は2017年6月、市内の道路拡幅事業で、ビルの立ち退き交渉が遅れていたことに激高し、部下の職員に「火をつけてこい」などと発言。今年1月29日に暴言が発覚し、2月2日付で辞職した。

 選挙戦では、暴言問題や泉市政の是非が問われたが、泉氏は次点だった北口氏の3倍以上の票を得て圧勝した。第2子以降の保育料無償化、中学卒業までの医療費無償化といった子育て支援などを導入し、6年連続の人口増につなげた実績が評価された。

 読売新聞が17日に実施した出口調査では、泉氏は無党派層の7割を取り込み、20~30歳代の8割前後から支持された。争点では「子育て支援・少子化対策」を重視する有権者が3割で最も多かった。

 泉氏は弁護士資格を持ち、NHKディレクターや衆院議員を経て、11年の市長選で初当選した。

 午後8時過ぎ、「当選確実」の一報を受けて事務所に現れた泉氏は、神妙な面持ちで支持者に深く頭を下げ、「これからの明石に対する責任を果たしたい」と決意を述べた。

 自身の暴言問題が発端となった選挙だけに、万歳も笑顔もなし。「自分自身がしてしまったことの責任を改めて痛感している」と謝罪を繰り返した。

 泉氏は2月1日、記者会見で涙ながらに謝罪し、辞職を表明した。その後は、怒りの感情をコントロールする「アンガーマネジメント」の講習を受けながら、市外のマンションに引きこもる生活を送っていた。

 その間、後援会幹部らは出馬への説得を続け、3月3日には、支持者らが出馬を求める約5000人分の署名を手渡した。「気持ちが傾いていった」という泉氏は、告示の3日前に立候補を表明した。

 選挙戦では、ふだん黒く染めていた頭は白髪のままで、街頭で「努力を重ね、二度と期待に反しない」「人間は簡単に変わらないが、少しはましになれる」と繰り返し、おわび行脚を続けた。

 有権者からは、子育て支援策を支持する声が相次いだ。2児の母親で、泉氏に投票した女性(35)は「謝罪会見で反省は伝わった。医療費の無償化で子育てがしやすい街になった。子育て世代に優しい施策を継続してほしい」と要望した。

 暴言問題発覚後、2月8日までに約2300件の意見が市に寄せられた。当初は批判が多かったが、「熱心さの裏返し」などと擁護する声が半数を超えた。

 ただ、一般社団法人「職場のハラスメント研究所」の金子雅臣所長は「目的が正しいからと暴言が正当化されると、パワハラの横行を招きかねない。この点を自覚し、真に反省することが重要だ」と指摘した。

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https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190318-OYT1T50090/

2019-03-18 00:44:00Z

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