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共犯者に主犯より重い死刑判決 3人殺害、地裁姫路支部 - 朝日新聞

 男性3人への殺人や逮捕監禁致死などの罪に問われた無職上村隆被告(52)の裁判員裁判で、神戸地裁姫路支部(藤原美弥子裁判長)は15日、求刑通り死刑判決を言い渡した。検察側が「主犯」とみる別の被告は過去最長の裁判員裁判(207日)の結果、一部無罪とされて無期懲役の判決を受けており、「共犯」とされた上村被告の方が重い量刑となった。弁護側は即日控訴した。

 判決によると、上村被告は元パチンコ店経営・中村春根被告(48)と共謀。2010~11年、兵庫県姫路市などで作業員男性(当時37)や広告会社元社長の男性(同50)、無職男性(同57)の3人を相次いで殺害したり、監禁して死亡させたりした。

 中村被告は昨年11月、今回とは別の裁判官・裁判員による裁判員裁判で、被害者3人のうち元社長に対する殺人罪は十分な証拠がないとして無罪とされ、無期懲役の判決を言い渡されていた(検察、弁護側ともに控訴)。

 この日の判決は、上村被告から犯行の経緯を打ち明けられたとする知人の証言や状況証拠などを踏まえ、元社長を含む3人全員の殺害・死亡について中村被告の関与を認定し、被害者らとの間に過去の刑事事件に絡む怨恨(えんこん)や融資トラブルを抱えていた中村被告が主導したと判断。上村被告は報酬目当てに中村被告の指示に従って実行したと指摘したうえで、「3人の人命が犠牲となった結果は重大。極刑をもって臨むほかない」と述べた。

 上村被告の初公判から判決までの期間は166日で、中村被告に次いで過去2番目に長い裁判員裁判となった。

計54回の公判、裁判員の負担は

 判決後、裁判員3人が記者会見に応じた。50代の会社員男性は「自分は会社の理解があったが、(通常は)これだけ長期の裁判員を務めるのは難しい。会社勤めの人も務められるシステムにしたほうがいいのではないか」。30代の主婦は「凄惨(せいさん)な事件だったので心の中に残ってしまい、帰宅しても色々と考えてしまった」と振り返った。20代の女性は「普段のニュースでも考えながら見るようになった」と裁判員を経験しての変化を語った。

 上村被告の裁判は昨年10月の初公判以降、計54回の公判が開かれ、延べ40人以上の証人が出廷した。被害者3人中2人の遺体がいまだに見つかっていないなど物証が乏しく、争点も複雑で日程が長引いた。判決までに裁判員2人、補充裁判員2人の計4人が途中で辞任した。

 裁判員裁判の結果、検察側が主犯とみる被告と共犯とみる被告との間で量刑の「逆転」が生じた。甲南大学法科大学院の園田寿教授(刑事法)は「別の裁判官・裁判員が審理しているので、証拠に対する評価や判断が異なることは十分ありえる。高裁の判断に注目したい」と話す。

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https://www.asahi.com/articles/ASM3H5JXBM3HPIHB01V.html

2019-03-15 11:04:28Z

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