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塚田氏の忖度発言、強まる逆風 与党からも、くすぶる辞任論 - 毎日新聞 - 毎日新聞

参院決算委員会で自身の「忖度」発言について答弁する塚田一郎副国土交通相=国会内で2019年4月4日午後1時2分、川田雅浩撮影

 塚田一郎副国土交通相は4日の参院決算委員会で、下関北九州道路(下北道路)の建設計画を巡って安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相に「忖度(そんたく)した」と発言したことを重ねて陳謝した。首相は塚田氏をかばう姿勢を変えていないが、辞任は避けられないとの見方が与党からも出始めた。

 山口、福岡両県を結ぶこの道路計画は首相と麻生氏の地元が舞台。統計不正問題で安倍政権を攻めきれなかった野党は「統計問題よりずっとわかりやすい。統一地方選にも影響するだろう」(立憲民主党幹部)と勢いづく。

 塚田氏は参院決算委で、1日の自身の発言に関する報道を翌日知り、「改めて発言内容を思い起こし、事実と異なるという認識に至った」と釈明した。北九州市での福岡県知事選の集会だったことで「熱が入ってしまった」とも述べた。

 自民党では昨年11月、下北道路の整備促進を図る参院議員の会が発足し、吉田博美参院幹事長が会長に就任した。吉田氏は昨年12月20日、国交省の副大臣室で塚田氏と面会し、道路局長らが同席した。さらに3月19日には山口、福岡両県知事らが石井啓一国交相に調査を国直轄にするよう要望。2019年度予算が成立した3月27日、国の調査費約4000万円が決定した。

 こうした経緯から、野党は4日、国会内で行った国交省などへのヒアリングで「吉田氏と塚田氏の面会がだめ押しになって4000万円の予算がついたのではないか」(立憲民主党の長妻昭氏)などと追及。国交省側は塚田氏と吉田氏の会談内容を明らかにしなかったが、「時系列的にはそうなる」と認めた。

 一方、参院決算委で共産党の仁比聡平氏は、与党議員有志の会「関門会」が16年、石井氏に提出した計画の早期実現を求める要望書に首相の名前があるとして「まさに安倍・麻生道路」だと批判した。これに対し、首相は「要望書が出されたことは知らなかった。そもそも私は首相として陳情する立場にない」と反論した。

 仁比氏は、麻生氏が「下関北九州道路整備促進期成同盟会」の顧問だとも指摘したが、麻生氏は「地元のそういったものには名前がよくのっかる」とかわした。

 学校法人「森友学園」「加計学園」問題が下火になる中、塚田氏の発言で「忖度」は再び国会論戦の焦点に浮上した。新元号発表後、共同通信の世論調査などで安倍内閣の支持率が上向いただけに、自民党関係者は「『令和』の2文字でお祝いムードになっていたのに、『忖度』という別の2文字がまた出てきた」と嘆く。

 自民党の石原伸晃元幹事長は4日、石原派の会合で「気を引き締めないと小さな穴が大きな穴になる」と苦言を呈した。塚田氏が所属する麻生派の会合では麻生氏が「気を抜くと常に問題が起きる。緊張感を持ちつつ務めを果たしてほしい」とあいさつしたが、塚田氏の名前は出さなかった。自民党内では「塚田氏の進退は麻生氏が判断する」とみられている。

 野党は、塚田氏が辞任しなければ来週の参院国交委で航空法改正案の審議に応じない構えだ。自民党幹部は「当面持ちこたえると思うが、来週の国会次第で状況は変わる」と懸念した。【田中裕之、小田中大】

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https://mainichi.jp/articles/20190404/k00/00m/010/498000c

2019-04-04 14:06:00Z

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