増税延期発言が呼ぶ臆測補選・同日選・野党対策…（写真＝共同） - 日本経済新聞

自民党の萩生田光一幹事長代行は19日、消費税率引き上げ延期に言及した自身の発言について「個人の見解だ。政府方針に異議を唱えるつもりはない」と釈明した。「景気の腰折れがないよう数字に目配りする姿勢を示した」とも語った。21日投開票の衆院補欠選挙後や衆参同日選を見据えた発言との臆測を呼んでいる。

記者団の質問に答える自民党の萩生田光一幹事長代行（19日午後、党本部）=共同

萩生田氏は党本部で記者団の質問に答えた。消費税増税に関して「10月に10%をお願いする基本姿勢に変わりはない」と述べた。安倍晋三首相と擦り合わせて発言したわけではないと強調した。増税を先送りした場合の衆院解散に言及したのも「過去の例にならってなんらかの国民の了解を得る必要性があると例示したのみだ」と説明した。

萩生田氏は首相側近とされる。自民党内では様々な臆測が広がり、党幹部の一人は「補選から世間の目をそらす目的ではないか」との見方を示した。衆院大阪12区と沖縄3区の補選では自民党候補の苦戦が伝えられている。選挙結果が夏の参院選まで影響しないよう、増税延期シナリオを発信したという解釈だ。