財務省が9日に発表した新紙幣の5千円札に使われる津田梅子の肖像に関し、津田塾大が提供し、新紙幣と酷似している36歳ごろの写真と顔の向きが逆になっていると指摘されていることが16日、分かった。

津田塾大の広報担当者は「写真が反転されて肖像画に使われたと考えている」としている。財務省は「写真をそのまま写すものではなく、反転などの加工は問題ない」としてそのまま発行作業を進める考えを明らかにした。

菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で「選定された人物についてさまざまな写真を収集して、原画を作成する」と説明。財務省によると、紙幣の肖像画は内側を向いていることがほとんどであるため、向きを変えて再構成したとみられるとしている。ただ実物の写真と異なる肖像画を紙幣に記載することに違和感を抱く人も出そうだ。

津田塾大によると、約10年前に国立印刷局の技術者の練習用にという名目で津田梅子の18歳ごろと24歳ごろ、36歳ごろ、50歳ごろの写真4点を提供した。新紙幣と酷似している36歳ごろの写真は新紙幣と逆側を向いていたという。(共同)