2019年04月10日21時47分
桜田義孝五輪担当相は10日、東京都内で開かれた自民党の高橋比奈子衆院議員(比例代表東北ブロック)のパーティーであいさつし、「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さん」と述べた。桜田氏はこの後、発言の責任を取り、安倍晋三首相に辞表を提出した。首相による事実上の更迭となった。後任は五輪担当相経験者から起用する方向だ。
安倍政権では国土交通副大臣だった塚田一郎参院議員が5日に「忖度(そんたく)」発言で辞任したばかり。失言による閣僚・副大臣の相次ぐ辞任は、21日投開票の衆院2補選や統一地方選後半戦を控え、安倍政権への打撃となった。
桜田氏は辞表提出後、「被災者の気持ちを傷つけるような発言をして申し訳ない」と記者団に述べた。首相は「被災地の皆さまに深くおわび申し上げたい。任命責任は私にある」と陳謝。後任については「行政に遅滞をもたらさないよう速やかに決定したい」と語った。「今後も東北の復興に全力を傾けていく」とも強調した。
桜田氏は岩手県出身の高橋氏への支援を呼び掛ける中で「(東日本大震災からの)復興以上に大事なのは高橋さんなので、よろしくどうぞお願いします」と、復興を軽視する発言をした。桜田氏はこの直後、記者団に真意を問われたが、「そんなこと言ったことない。記憶にない」と説明を避けた。
また、桜田氏はあいさつの中で、「乾杯、いよいよできるかなと思ったときにまた一人(あいさつの)追加で、がっかりしてるんじゃないか。私も『がっかり』という言葉が禁句だ。いろいろ言われちゃって、もうこりごりしている」と語った。競泳の池江璃花子選手の白血病公表に際し、「がっかりしている」と発言して批判を浴びたことを指したものとみられる。
桜田氏はこれまでも、東日本大震災発生後に国道などが「健全に動いていた」と事実と異なる発言をして撤回。9日の参院内閣委員会で、被災地である宮城県石巻市を「いしまきし」と言い間違える答弁を繰り返すなど、失態が続いていた。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041001217&g=pol
2019-04-10 12:25:00Z
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