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安全対策講じていた保育園「どうやって身を守ればいいのか」 大津園児死傷事故 - 毎日新聞 - 毎日新聞

保育園児たちが事故にあった現場で手を合わせる人たち=大津市で2019年5月9日午前11時54分、梅田麻衣子撮影

 大津市大萱(おおがや)6の滋賀県道交差点で、散歩中の保育園児ら16人が車同士の衝突事故に巻き込まれて死傷したのを受け、各自治体は9日、保育園や幼稚園に散歩コースの安全確認などを求めた。今回の事故で被害を受けた保育園はコースを下見するなど安全対策を講じており、現場を訪れた人からは「どうやって身を守ればいいのか」との戸惑いも聞かれる。惨劇を繰り返さないため、各地で模索が始まった。

 「保育園の人たちも気を付けていたのに……」。9日朝、10カ月の娘を別の保育園に送った帰りに現場の献花台の前で手を合わせた市内の女性会社員(29)は、困惑した表情を浮かべた。事故に遭った園児と同い年の息子を持つ近くの男性会社員(40)は「歩道の幅も確保されているので、まさかという感じだ。とにかく大人が気を付けるしかない」と話した。

 警察庁の栗生俊一長官は9日の記者会見で「日本は諸外国に比べ歩行者が犠牲になる割合が非常に高い」と述べ、通学・通園路へのガードレール設置など交通安全対策を進める考えを示した。だが、今回の事故では、横断歩道があるため縁石がない所から車が歩道に乗り上げたとみられ、完璧な対策を講じるのは容易ではない。

 事故があった大津市は9日、市立と民間の保育園、幼稚園など計約140施設に対し、散歩コースの危険箇所を改めて点検するなど、安全管理の徹底を通知した。点検に市職員が同行することも計画している。市はこれまでも、コースの下見や経路計画書の作成などを求めるマニュアルを作成し、各保育園に配布していた。市幼児政策課の担当者は「普段からチェックはしてもらっていたが、痛ましい事故を防ぐためにも今一度、安全の徹底を図りたい」と話した。

 大阪市も市立保育所や民間保育施設に対し、園児を散歩などで外出させる際には特に交通安全に配慮することなど、注意を呼びかけた。

 しかし、基本動作だけで、安全確保と保育の質が両立できるのか。園庭が十分確保できない都市部ゆえの悩みもあり、自治体には戸惑いも広がる。

 札幌市の担当者は「注意喚起が散歩の自粛につながれば、子供の健康に影響が出かねない。行政としてのバランスが難しい」と吐露する。新潟市の担当者は「今回の事故では保育園側に過失があったわけではないと承知している」としつつ「子供の命を預かっていると施設には再認識してほしい」と話した。【福富智、成松秋穂、真野敏幸、澤俊太郎、井口彩】

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https://mainichi.jp/articles/20190509/k00/00m/040/294000c

2019-05-09 13:26:00Z

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