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両手に刃物、バス待つ児童を無言で次々…川崎殺傷 : 国内 - 読売新聞

 川崎市多摩区の路上で28日朝、私立カリタス小学校の児童ら19人が殺傷された事件で、自らも首を切って死亡した岩崎隆一容疑者(51)(川崎市麻生区)は、スクールバスを待つ児童の列に後方から無言で近づき、両手に持った刃物を振り回していた。学校関係者は、子供たちを守れなかった悔しさをにじませた。

 「落ち度のない子供たち、愛情深く子供を育んでこられた保護者の方が被害に遭ったことは痛恨の極み」。同小で同日夕に行われた記者会見。学校法人カリタス学園の斎藤哲郎理事長は冒頭、沈痛な表情を浮かべた。

 会見場では、現場のバス停で乗車を誘導していた倭文しとりさとる教頭が、事件当時の状況を説明した。

 スクールバスは登戸駅近くの専用バス停と学校の間を結び、毎朝午前7時25分頃から8本運行。ピストン輸送で児童たちを学校に運んでいる。児童らが襲われたのは、5本目のバスが発車し、6本目への乗車が始まった直後。倭文教頭は児童6人ほどを乗せた際、列の後方から突然、「キャー」という叫び声を聞いた。道に出て後方を確認すると、両手に1本ずつ長い包丁のような刃物を持った岩崎容疑者が、声も上げずに児童たちを切りつけていた。

 児童らの列は近くのコンビニ店付近まで続いていて、犠牲になった6年生の栗林華子さん(11)(東京都多摩市)と、別の児童の父親で外務省職員の小山おやま智史さん(39)(同世田谷区)は後方にいたという。倭文教頭は「男(岩崎容疑者)はどなるでもなく無言だった。だから子供たちも気付かなかったようだ」と悔やんだ。

 同小の内藤貞子校長は事件を受け、通学路を含めた警備態勢を強化し、児童の心のケアのため、心理カウンセラーを配置する方針を示した。同小は31日まで休校し、6月に予定されていた6年生の宿泊行事も中止することを決めた。

 同学園は会見に先立ち保護者説明会を開き、系列の幼稚園、中学、高校を含め、出席した約1200人の保護者に今後の対応などを説明。出席した保護者によると、倭文教頭が「自分は何もできなかった。本当に申し訳ない」と頭を下げたという。犠牲者への祈りがささげられたときには、会場にすすり泣く声が響いたという。

     ◇

 現場では、通勤、通学時間帯に起きた惨劇を大勢の人たちが目撃していた。

 パート女性(72)は、バス停付近から、児童らが叫び声を上げ、散り散りに逃げる様子を目にした。路上に倒れ込む人や、白いシャツが血で赤く染まった人も。そんな中で、「しっかりしなくちゃ」などと声をかけ、励まし合う子供もいたという。

 バス停付近には、事件を知った多くの市民が訪れ、ジュースや花を手向けた。

 以前、近くに住んでいたという女性(43)は数秒ほど手を合わせ、「痛かったでしょうね。これからの人生があったのに、本当に悔やまれる」と声を震わせていた。

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https://www.yomiuri.co.jp/national/20190528-OYT1T50362/

2019-05-28 14:41:00Z

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