児童養護施設の施設長刺殺容疑者、アパート退去時トラブルで逆恨みか（毎日新聞） - Yahoo!ニュース

　東京都渋谷区の児童養護施設「若草寮」で施設長の大森信也さん（46）が刺殺された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された住所不定、無職の田原仁容疑者（22）は昨年9月、トラブルから東京都東村山市内のアパートを退去していた。警視庁代々木署への取材で判明した。この際、施設の職員が対応にあたったという。同署は退去をめぐって田原容疑者が施設を逆恨みしたとみて、動機を追及する。

　同署によると、田原容疑者は高校を卒業した2015年3月に施設を出て、施設の職員が保証人となり東村山市内のアパートで1人暮らしを始めた。当初は郵便関係の仕事に就いたが1カ月半ほどで辞め、その後は別の仕事をしていたという。

　施設では定期的に連絡を取るなど、田原容疑者のケアに当たっていたが、昨年9月に家賃の滞納が発生。施設の職員が様子を見に行くと、部屋の壁に穴が開けられていたり、本人が錯乱状態になっていたりしたため、警察に通報したという。田原容疑者は警察で一時的に保護された後、アパートを退去した。

　田原容疑者はその後、ネットカフェを転々としていたとみられる。事件の2～3週間前には、さいたま市大宮区の100円ショップで凶器とみられる文化包丁（全長約20センチ）を購入。事件当日の25日は午後1時45分ごろに施設の無施錠の玄関から侵入し、玄関脇の施設長室にいた大森さんを襲ったとみられる。

　田原容疑者は「無言で刺した」「首を狙った」などと供述しているという。大森さんの首や頭、胸などには複数の傷があった。文化包丁の柄は外れていたといい、執拗（しつよう）に刺したとみられる。【山本佳孝、土江洋範】

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