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漂い始めた東京五輪延期 米国とIOCの思惑 - 時事通信ニュース

2020年03月13日17時58分

東京五輪開幕を待つ国立競技場とオリンピックシンボル=12日、東京都新宿区

東京五輪開幕を待つ国立競技場とオリンピックシンボル=12日、東京都新宿区

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、約4カ月後に迫る東京五輪の延期論が漂い始めた。国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は予定通りの開催を強調しているが、聖火がギリシャで採火された12日にトランプ米大統領が1年延期に言及。7月の開幕が危うくなってきた。

感染拡大、代表選考に影響 五輪予選など中止、延期

 IOCで最古参のパウンド委員が「開催可否の判断は5月下旬が期限」「1年延期も不可能ではない」との見解を示した2月下旬の時点では、まだIOCの観測気球と見られていた。しかし、この2週間余りで欧米にも感染が拡大。世界保健機関(WHO)が「パンデミック(世界的流行)」と表明したことで、風向きは大きく変わった。
 五輪は2万人近い選手と関係者が集まるビッグイベント。大選手団を送る米国の影響力は大きい。ある五輪関係者は、トランプ大統領の延期発言の背景には悪化する経済状況に加え、今秋に控える大統領選挙があると指摘した。「五輪で米国の選手団に感染者や死者が出るのを恐れているはず。五輪と心中する気はないだろう」とみる。
 IOCも中止は避けたいだろう。五輪を開催できなければ、2013~16年には計57億ドル(約6000億円)の収入の7割超を占めた米テレビ局などからの放映権料が入らず、国際競技団体(IF)への分配金などに充てる財源を失う。
 規模の小さいIFにとっては死活問題になりかねない。あるIFの幹部は、不測の事態のためのIOCの予備費ではカバーできないとし、「競技あっての五輪。IFをつないでいる分配金はIOCが中止できない要因の一つだろう」と言う。
 五輪開催を延期すれば、大会運営を準備する組織委や東京都の負担は大きくなる。人件費を含めた経費増に加え、競技会場の借用など各関係方面との交渉もほぼ振り出しに戻る。しかし、権限を持つのはIOC。そこに米国の意向も絡めば、日本側に選択の余地はあまり残されていない。

◇新型コロナと五輪をめぐる動き
月 日
2・19 ロンドン市長選候補が代替開催に言及
  25 IOCパウンド委員が「5月に開催可否判断」と米メディア
  26 組織委、パウンド氏発言に「IOCの公式見解ではない」と反応

東京五輪の聖火採火式に出席したIOCのバッハ会長(左端)=12日、ギリシャ・オリンピア(AFP時事)

東京五輪の聖火採火式に出席したIOCのバッハ会長(左端)=12日、ギリシャ・オリンピア(AFP時事)

     小池東京都知事も「個人的見解」と述べる
     政府が大規模イベントの自粛要請
  27 IOCコーツ調整委員長、パウンド氏発言に「反対しない」と豪紙
     IOCバッハ会長が電話会見で予定通りの開催を強調
3・3  IOC理事会初日、バッハ会長「東京五輪の成功に自信」
  4  IOC理事会終了。中止、延期は検討されなかった
  10 高橋組織委理事が「延期の場合は1~2年が現実的」と米紙に見解
  11 高橋理事発言、森組織委会長は「安易な考え」と否定
     新型コロナ、WHOがパンデミック宣言
  12 ギリシャで予定通りに聖火採火式
     トランプ米大統領が五輪の1年延期に言及
  13 安倍首相がトランプ氏と電話会談。延期の話題はなかったと政府
     トランプ氏は会談後、ツイッターに「たくさんの選択肢がある」

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2020-03-13 09:08:05Z

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