５車両の全モーター、一斉に逆方向に動く…逆走調査 - 読売新聞

　無人の自動運転で横浜市南部を走る新交通システム「シーサイドライン」が逆走した事故で、運営会社などの調査によると、５車両すべてのモーターが逆方向に一斉に動いたことが分かった。同社や国の運輸安全委員会は、事故車両に搭載された自動列車運転装置（ＡＴＯ）か、これを起点とするシステムに不具合があった可能性があるとみて調査を進める。シーサイドラインは３日も新杉田（横浜市磯子区）―金沢八景駅（同市金沢区）の全線で運休し、再開のめどが立っていない。

　シーサイドラインは１日夜、新杉田駅で出発時に逆走して車両止めに衝突した。運営する横浜市の第３セクター「横浜シーサイドライン」によると、衝突時は時速２０キロ超だったとみられる。

　ＡＴＯは車両と駅の両側に設置され、始発駅の新杉田駅では、到着した車両の前照灯やモーターを進行方向に切り替える信号を駅側が車両側に送っている。駅側からは正常に送信されたことが分かっている。一方、車両側では事故前、前照灯の切り替えや扉の開閉は正常に動いていたが、５両すべての車両のモーターが逆方向に動いていた。

　このため同社は、前照灯の切り替えや扉の開閉などに関する信号は正常に受信し、モーターを動かす動力系の信号が受信できなかったか、それをモーターに伝える制御や電気系のシステムに不具合があった可能性があるとみている。

　シーサイドラインは４日も全線で運休する見込み。最初の平日となった３日は、バスによる代替運行で対応したが、朝夕の通勤時間帯を中心にバスを待つ乗客の長い列ができた。

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