拳銃強奪容疑者は交番襲撃時、リュックを同級生宅周辺に - 毎日新聞 - 毎日新聞

交番に向かって走る飯森裕次郎容疑者の姿を映した防犯カメラの画像＝大阪府吹田市で2019年6月16日午前5時34分ごろ、近隣住民提供

　大阪府吹田（すいた）市の交番で警察官が刺されて拳銃を奪われた事件で、強盗殺人未遂の疑いで逮捕された飯森裕次郎容疑者（33）が事件当時、同級生の実家周辺にリュックサックを置いていたとみられることが、捜査関係者への取材で判明した。飯森容疑者は事件直前、この実家で空き巣被害があったとする虚偽の110番をしたとされるが、事件直後、リュックを取りに戻って逃げたという。

　通報を受けて交番の警察官2人が出動しており、警察官と鉢合わせになる可能性がある不可解な行動で、府警は詳しい経緯を調べている。

　飯森容疑者は16日午前5時40分ごろ、府警吹田署千里山交番の駐車場で、古瀬鈴之佑（こせすずのすけ）巡査（26）を包丁で複数回刺し、実弾5発が入った拳銃を奪ったとして逮捕された。

　捜査関係者によると、飯森容疑者が事件前、小中学校時代の同級生の実家があるマンションを訪れる姿が防犯カメラに映っていた。リュックを背負っていたが、立ち去る際には持っていなかった。

　その後、飯森容疑者は交番から約1キロ離れた阪急電鉄関大前駅に移動。事件の約10分前、ホームの公衆電話から同級生を名乗り、同級生の実家が空き巣被害に遭ったと虚偽の110番。交番まで走って移動し、バイクで交番から出ようとした古瀬巡査を襲ったとみられる。

　通報を受けて交番の警察官2人が出動していたが、飯森容疑者はリュックを取りに再び同級生の実家付近に戻った。以降、リュックを背負って歩く姿が複数の防犯カメラに映っている。17日に同府箕面（みのお）市の山中で逮捕された際も、リュックを枕代わりにベンチに横たわっており、中には財布や服などが入っていた。

　事件の数日前、飯森容疑者はこの同級生を飲み会に誘ったが、応じなかった。飯森容疑者が、同級生に一方的な恨みを抱いていた可能性もある。交番を手薄にするために同級生を名乗って通報したとみられるが、警察官がいる可能性が高い同級生の実家付近に事件後、リュックを取りに戻って逃走。府警はこうした不可解な行動の経緯を調べている。【伊藤遥、土田暁彦、堀祐馬】

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